「からすの北斗七星」
【話】烏と山烏の戦争の話。烏の大尉は許嫁に戦死?した場合は他へ嫁いでくれと言う。許嫁は、あんまりだ、かあぉ、かあぉ、かあぉ、かあぉと泣き出す。大尉は娘烏に丈夫でいるんだぞと言いおいて戦地に行き、山烏と戦う。
そして、大尉が
「報告、きょうあけがた、セビラの峠の上に敵艦の碇泊をみとめましたので、本艦隊はただちに出動、撃沈いたしました。わが軍死者なし。報告終わりっ。」と報告すると大監督は喜び、大尉から少佐に進級させた。
少佐になった烏は、敵の山烏が空腹の為、山から出てきたところを19隻で囲んで殺した。そのことを思い出して涙した。
敵の死骸を葬ることを願い出、許可を得た。マジエル様と呼ぶ「からすの北斗七星」を仰ぎ見た。
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【所感】烏の大尉がマジエルの星を仰ぎ見ながら言う言葉と、祈りは胸を打ちます。同じ仲間の山烏との戦いに、どちらが勝った方がいいのかわからないと言い、そして、憎むことのできない敵を殺さないでいいように早くこの世界がなりますようにと、祈ります。
戦争と言う痛ましい話を烏の鳴き声で和らげて、滑稽に感じさせています。風刺の精神と言われる所以かも知れません。
賢治の生きた時代は小林多喜二に象徴されるような社会主義や労働運動が高まった時期でもあり、弾圧された時期でもあった筈です。「からすの北斗七星」は戦争批判の話にもなっています。童話であるが故、売れなかった作家故、賢治のトランクの中でひっそりと生き延びたのでしょうか。
でも、戦争は今も世界のどこかで続いています。
ポプラポケット文庫「注文の多い料理店」の中から。
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