アンデルセン「雪の女王」新装版
バーナデット 絵 ささきたづこ 訳 1999年11月1日第1刷発行 西村書店
<はじめに>
悪魔が作った鏡を小鬼たちの手から地上へと滑り落ちてしまった。砂つぶより小さくなった鏡のかけらが世界中に飛び散った。そのかけらが目に入ると、その人はすべての物事を意地悪い目で見るようになり、そのかけらが心臓につきささると、心は氷のように冷えきってしまう。
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【話】大きい町に、ふたりの貧しい子どもが住んでいた。ふたりは、まるで兄妹のようになかよしで、男の子はカイ、女の子はゲルダといった。
ある時、ふたりが雪の中で跳ねまわっていると、突然、カイが叫び声をあげた。あの鏡のかけらが目に入り、心臓にまで刺さってしまった。すると、カイは一変し、ゲルダをおいて走り去ってしまった。
大きいそりを手に入れたカイは、雪の舞い散る中を物凄い速さで走った。カイの目の前で白い大きなそりがとまり、そりに乗っていた人が立ち上がった。白い毛皮は雪でできていて、すらりと高く、白く輝く美しい雪の女王だった。雪の女王はカイを乗せると空高く上り走り続けた。そして、北極の近くにある女王の城へと連れて行った。
ゲルダはカイがいつまでも帰って来ないので心配になり、町中をさがし回った。冬の間、泣いていたゲルダも春になって、新しい赤い靴を履いて外に出た。川べりまで行き、川に尋ねた。何も答えてくれなかった川の岸辺には舟が繋がれてあった。それに乗ってゲルダは赤い靴を川に投げた。この川がカイの所まで運んでくれるかも知れないと思った。
それから、ゲルダは、会う人々にカイの話をして、バラやカラスやトナカイに尋ねたりしてやっと極寒の地に辿り着く。
その時、ゲルダは靴もなく、手袋もなかった。そんなゲルダをさらに雪の兵隊が襲った。それにも負けず、城へと向かった。女王の城は百以上の大広間があり、オーロラの光に明るく照らされていた。そのまん中に、凍った湖があった。そこでカイはひとり座って、氷のかけらで遊んでいた。
ゲルダはカイを見つけると、しっかり抱きしめて「カイ!私のだいじなカイ!とうとう見つけたわ」と叫んだ。けれど、カイは冷えきった体のまま身動きしなかった。ゲルダの目からあつい涙がこぼれ、カイの胸に落ちた。涙は心臓にまでしみわたり、鏡のかけらを溶かした。するとカイは・・・・・・・・。
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【所感】この物語は映画、ドラマ、アニメ、まんがになったりしているのだそうです。と言ってどれも見てはいないのですが。少女のひたむきで無邪気な心は、山賊の娘も親切になり、フイン人の女も少女の力を見抜き、トナカイに雪の女王の国の近くまで送るように言いつけます。トナカイは走りに走って、別れの時は大粒の涙を流します。少女の一途な思いは、愛情物語としても感動させます。童話としては長編ですが、それを大型絵本にしたことで読み聞かせにも大丈夫。雪の女王として見られるのは絵本の表紙だけですが、この絵一枚だけでも女王らしさが伝わってきます。雪の女王として。
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