「三ねんねたろう」
ぶん:おおかわ えっせい え:わたなべ さぶろう ポプラ社 1967年7月第1刷
【話】ねたろうの家は貧しく田んぼも畑も少なかった。ほんの少しとれたお米を役人や地主に収めると、ほとんど残らなかった。病気の母親が「いまちっとおこめのごはんがたべたいのう。」と言っていたが、ある日、ぽっくり死んだ。若者がねたろうになったのはその年の夏だった。ねたろうがねたろうになって、三年三月たった。ねたろうは、むっくり起きると、村堺を越え、隣村を越え、大きな川まで来た。この川から水をひけばお米がとれると言った。村のものは、こんな遠くから水がひけるわけがないと相手にしなかった。ところが・・・・。
【所感】この話に登場する寝太郎は農民伝説、「厚狭の寝太郎」の再話だそうです。働いても働いても満足に食べられなかった江戸時代の農民。
農民が働かないということは、お役人に盾を突くようなものです。武力も権力を持たない農民の寝太郎のとった行動は働かずに寝るという行為でした。とりたての厳しいお役人をものともしないで、寝続け、三年後、寝太郎は田や畑に水を引く灌漑用水工事に取り掛かります。遠い遠い川から水を引く作業。不可能と思っていた農民も手伝い始めます。その努力の甲斐あって村に水が引かれて、お米も毎年とれるようになるのです。
実は、寝太郎は農民の夢を実現した英雄のお話なんです。絵も言葉も子ども向きに書かれていますけど。
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