*1976年:作家賞=セシル・ボトカー
1927年、デンマークのフレデシアに生まれる。銀細工師として働きながら、1955年に大人向けの詩集を出している。その後、ボトカーの代表作「シーラスと黒い馬」は1967年に。以後シーラスのシリーズを長年にわたって書き続けている。今、現在は2001年の14巻が最も新しい。
評論社出版の初版を1981年から訳されている橘要一郎氏が、2007年に14巻「シーラス安らぎの時」を訳されている。その巻末のあとがきに、作家ボトカーさんも2007年3月27日で満80歳になったことが記載されてあった。また、このシーラスの物語がこの14巻で完結させるかどうかは、原作者次第なのだという。でも、14巻は完結編と称してもいい内容にもなっているとも。
1、「シーラスと黒い馬」“舳先の角ばった、おかしな格好の小舟に乗って、その少年は川をくだってきた。・・身体は小舟の底に寝かせてある。・・遠くからは、どう見てもカラっぽの舟としかうつらない。”旅芸人の一座から逃げ出した少年シーラスの物語はここからはじまった。馬商人に出合い、ひょんなことで黒い馬を得た。この黒い馬と共に、シーラスは様々な人たちに出会う。
2、「シーラスとビン・ゴーヂック」3、「シーラスと四頭立ての馬車」4、「シーラスの家作り」等、等と14巻まである。
作家ボトカーは、“私がシーラスを好きなのは、自分の欠点を意識しているからなのでしょうか?”と自問自答しています。また、シーラスは作家の4人の曽祖父たちを全部合わせた人物だとか。それは、厳格な牧師であったり、発明家だったり、民間武装船長だったり、家族の歴史のことは何も知らない捨て子だったりと。そのどの人物も、シーラスの中で生きているということなのでしょう。
シーラスが少年から青年へと成長していく姿に、作者の言葉には嘘はなかったように思います。登場人物の多くは、貧困に喘ぐ人々や、社会から見捨てられた人々、障害を持つ子どもたちを描いています。
その人たちの動き、心理描写を、実にさらっと書いています。喉に引っかからない程度です。児童文学としての役割を果たしながら。
本の表紙はスベン・オットー(1978年:画家賞「クリスマスの絵本」)の絵でしたが、表紙に収まりきれなかったような気がして・・・。
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