*1978年:作家賞=ポーラ・フォックス
1923年ニューヨークー市生まれ。アメリカ、キューバ、カナダ等で教育を受け、テレビの脚本を書き、教師やジャーナリストとしても活躍。最初の作品は1966年「モリスのたからもの」(清水真砂子:訳、大日本図書)をはじめとして、邦訳作品は1968年「きのうのぼくにさようなら」(掛川恭子:訳、あかね書房)1973年「どれい船にのって」(ホゥゴー政子:訳、福武書店)1984年「片目のねこ」(坂崎麻子:訳、ぬぷん児童図書出版)1993年「西風がふくとき」(清水奈緒子:訳、文研出版)1995年「イーグルカイト」(村田薫:訳、文渓堂)等がある。
「どれい船にのって」
ポーラ・フォックス:著 ホッゴー正子:訳 和泉賢一:絵 福武書店 1989年初版発行
フォックスの唯一の歴史小説とも言われている。嘗て、テレビドラマで放送された「ルーツ」の主人公、黒人少年クンタ・キンテが奴隷船に乗せられて、残酷な目に遭うシーンがあったが、それを、まざまざと思い出した。この「ルーツ」の原作者アレックス・ヘイリーがピューリッツアー賞を受賞したのは1976年である。そして、翌年にテレビドラマ化された。
フォックスの「どれい船にのって」は1973年に出版されている。主人公は白人少年ジェシ。ジェシも、突然、連れ去られ、気がついた時は船の上。ジェシは、奴隷船で起きている残酷な出来事をまるで内部告発するかのように、つぶさに語る。
ジェシは、普通の貧しい家庭の子ども。心が張り裂けそうに何度もなりながら耐えていく強さを持っていた。また、やさしい心も最後まで見失うことはなかった。
作者は、この重たいテーマを子どもたちにどうしたら理解させることができるか。それが、ジェシの質問形式だったのだろうと。この作品も、1974年にアメリカ児童文学ニューベリー賞を受賞している。
“かあさんにたのまれてお使いにでかけたぼくは、裏通りで二人のあらくれ男につかまってしまった。つれていかれたのは恐ろしいどれい船の上だった。・・・・”
<史実>
船名:月光号 高級船員:コーソン船長、ニコラス・スパーク航海士。 船員:ジェシ少年、その他の人々。船荷:奴隷:98名・・etc。
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