*1972年:作家賞=スコット・オデール
1898年、カルフォルニア州ロサンジェルスに生まれ、大学を卒業すると、新聞記者、雑誌編集者など、様々な職業についた。また、第二次世界大戦中は、米国空軍で兵役にも服している。オデールが作家として名声を得たのは1960年に出版された「青いイルカの島」(藤原英司:訳 理論社)が、ニューベリー賞を受賞してからだという。その後、
1966年「黄金の七つの都市」(大塚勇三:訳 岩波書店)
1967年「黒い真珠」(小野章:訳 評論社)
1970年「ナバホの歌」(犬飼和雄:訳 岩波書店)等々がある。
1989年に亡くなるまで書いた作品のほとんどは若い読者向けの歴史物語だった。
スコット・オデール:作 犬飼和雄:訳 岩波書店 1974年7月第1刷発行
物語の最後に作者が「ナバホの歌」は、1863年から1865年の二年間におよぶナバホ族の歴史をもとにして書いたものであると記載されてあった。アメリカのアリゾナ州に住んでいたインディアンのナバホ族が、白人にとらわれて故郷の地を追われるという歴史的事実を背景にナバホ族の少女(アカルイアサ)が果敢に生きていく物語。
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子どもたちにとって、インディアンの歴史について知る切っ掛けになる作品です。映画「西部開拓史」(ジョン・ウェイン)は、インディアンを襲撃していく話でした。「幌馬車」もそうでした。1990年に作られた映画「ダンス・ウイズ・ウルブズ」は、敵役のインディアンとの絆を優先した白人の男(ケビン・コスナー)の物語でした。
スコット・オデールが72歳で発表した「ナバホの歌」は、それらの映画で描かれなかったインディアンの歴史を、ナバホ族に焦点を当てて書いたものです。当時のアメリカ社会に受け入れられたのでしょうか。児童文学故、映画「ダンス・ウイズ・ウルブズ」のような反響(アカデミー賞受賞作品)に及ばなかったとでも。歴史の重みを痛感したスコット・オデールが生前に設立した賞こそ、彼の心情をものがたっているような気がします。
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