カテゴリー「文字のない絵本」の4件の記事

文字のない絵本22「漂流物」

デイヴィッド・ウイーズナー作 BL出版

Hyouryuu 「漂流物」は2002年「3びきのぶたたち」に次いで3度目のコールデコットの受賞作品だそうです。

”【ひょうりゅうぶつ】flotsam(英)

海上の水上に浮かんでいて、流れのままにただようもの。

やがて、それはどこかの浜辺に、うちあげられることだろう。

そして、それを見つけた者はとても驚き、だれかにつたえずにはいられない。・・・・・・。”

ウイーズナーの絵本はユーモアがあって奇想天外。文字がないのですから絵をじっと見て自分で解き明かすしかありません。空から陸へ。今回は海中の魚たちです。

浜辺で拾った古いカメラに写っていたもの。魚だけではありません。人種の違う子どもたち。少年はその古いカメラに自分も撮ります。満面の笑顔で。

そして、そのカメラは・・・・・・。

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「文字のない絵本」12~21

11、『ねこ さんびき』アン・ブルイヤール:作 すえもりブックス出版 白黒の猫が三匹、木の枝に並んで下を見ています。水の中には赤い魚が、・・・。ラストは可笑しくて笑ってしまいます。絵も、油絵と水彩で描かれたのでしょうか。猫、赤い魚、水しぶき、荒々しい筆使いだけで見えない水の中の格闘を表現しています。顔、目、動きを観察していくと、言葉がひとりでに浮かんできます。落語のおちみたいな展開になっています。

12、『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー:作 当麻ゆか:訳 時刻を表す言葉と数字のみですので、文字のない絵本の部類に入れました。大きなカエルの一群が、蓮の上に乗って、「かようびのよる」住宅街に向かって一斉に眺めている目は、まるで、あのガラスのビー玉のように光っているのです。不気味だと思いません?でも、その不気味さから滑稽さに変わっていきます。ひょうきんなカエルに、可笑しさがこみあげてきます。

13、『ピエロくん』クェンティン・ブレイク:作 あかね書房 文字がないとは言え、さながら、テレビドラマ仕立てです。コマ割りもフキダシもない漫画みたいなイラストの絵本です。仲間の人形たちと一緒に捨てられてしまったピエロくん。みんなを喜んで引き取ってくれる人はいないかと、探しに出かけます。それはそれは大変。投げられたり、吊るされたり、・・・・。

14、『ことば』五味太郎:作 架空社 言葉が見えたら便利だね。五味太郎さんのユニークな見方考え方に、絵本を手にした時から、驚きの連続です。この絵本も、およそ考えつかない発想です。言葉に色や形をつけるなんて。楽しい言葉は、楽しい色、どんな色?難しい言葉は難しい形、どんな形?言葉がカラーになっています。愉快な絵本です。

15、『翼の時間』東 逸子:作 ミキハウス出版 お父さんに連れられて図書館へ。待っている間、本を眺めていた少女(男の子?)は翼を持った天女に導かれて、天空の旅へ。それは、誰も見たことのない幻想的な世界。悲母観音に似た天女は少女のお母さんだろうか。美しい絵画を観るようです。しばし、時を忘れさせてくれます。

16、『どうぶつのおやこ』薮内正幸:画 福音館書店 ねこ、うさぎ、いぬ、さる、くま、かば、きりん、らいおん、ぞう、の親子を描いた絵本です。誰でも知っている動物の親子。写真では伝わらない手書きのあたたかさがあります。小さい頃、こんな絵本に出会えた子は幸せですね。薮内正幸さんの絵をネット見ることができます。

17、『セクター7』デヴィッド・ウィーズーナー:作 BL出版 第一セクターは国や地方公共団体、第二セクターは民間、第三セクターは官と民。で、「セクター7」とは何処でしょう。ある日、課外授業でエンパイヤーステートビルを訪れた少年が、展望台で雲の子に出会います。雲の子に誘われて行った所が「セクター7」雲の製造所だったんです。いつもいつも同じ図面を渡されていた雲の仲間が少年に不満をいうんですね。少年はそこでジェスチャーや言葉で雲の形を教えるのですが、思い通りに伝えるために絵を描いたのです。今まで見たことのない雲の形が空を飛ぶんです。それから・・・。

18、『ちいさな天使と兵隊さん』ピーター・コリントン:作 すえもりブックス めがねをかけたママが、娘に絵本を読んでいる所からお話が始まっています。小さな天使と兵隊さんの人形を枕もとに置いて寝ます。すると絵本の中の海賊たちが出て、ピンクの豚の貯金箱から・・・。

19、『星の降る夜に』千住 博:作 富山房 深い森に鹿の親子。ある晩、子鹿は流れ星をどこまでも、どこまでも追いかけて迷ってしまいます。子鹿の足取りは、ページの左側に小さく地図に書かれています。日本画家の千住 博さんの絵本です。絵画を鑑賞しているような感じです。

20、『小さな池』新宮 晋:作 福音館書店 表紙の真ん中に小さな水色の穴が描かれています。その穴が、段々大きくなり、小さな池の様子がわかります。真上から眺めた構図。鳥、亀、鯉、落ち葉、雨、トンボなどが水面に映し出された風景は季節の移り変わりを現しています。白い雲から、夕焼け、満天の星、小さな池はやがて暗くなって・・・・。この小さな池は作者のアトリエの裏にあるのだそうです。

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「文字のない絵本」2~11

Ann1_4 1、『アンジュール』ガブリエル・バンサン:作ある犬の物語 ブックローン この絵本は、鉛筆のデッサンのみで描かれて黒一色です。車から犬が放り出される場面から始まります。捨てられた犬は、飼い主と同じ車をみつけると車道に飛び出してしまいます。それが大きな事故になってしまいます。車と車が衝突して何台も横転し、炎上するさまを走り去るときに振り返ってみます。その犬の姿が表紙になっています。先に紹介した『たまご』と同じ作者です。ラストまで惹きつけて止まない絵本です。

2、『はるにれ』写真家・姉崎一馬:著 福音館書店 北海道の草原に大きな春楡の木が一本。四季折々に見せる姿を幻想的に、リアルに撮った写真に思わず溜息が出ます。

Zoom1_3 3、『ZOOMズーム』ハンガリーの絵本作家イシュトバン・バンニャイ:著 翔泳社 近づいて見て、ズーム・イン!遠ざかって見て、ズーム・アウト!子どもたちの見ているニワトリのトサカは一体何処から見ていたと思いますか?ページをめくる度に驚かされます。

4、『やこうれっしゃ』西村繁男:作 福音館書店 上野発━金沢行きの夜行列車の絵本。中央改札口、特別通路、列車、発車、時刻、常磐線、東北・奥羽・盤越西線、高崎・上越線、高崎・信越線。スキー板を抱えた人、オーバーを着た団体の列車等。当時の上野駅の様子がとても細かく描かれています。この絵本を見ながら懐かしく思いましたが、現代の子どもにはどんな風に写るのでしょうか。

5、『聖なる夜に』ピーター・コリントン:作 BL出版 商売道具のアコーディオンを質に入れて、借りたお金はバイクに乗った男にひったくられてしまいます。その男は教会の慈善箱まで盗んで行こうとしました。おばあさんは必死でそのお金を守ります。教会の中は荒らされていました。イエス、マリア、三賢者、羊飼い、六体の像すべてが倒されていました。元の位置に直して、慈善箱もおいて教会を出ました。家に帰る途中で、とうとう倒れてしまいます。その後は・・・・。絵だけのお話です。丁寧に描かれたたくさんの絵。何度も何度も、繰り返して見ていきますと、自然にストーリが見えてきます。

、『木のうた』イエラ・マリ:作 ホルプ出版 この絵本は、一本の大木が四季と共に移り変わる姿に集まる小さな動物たちを交えて色彩豊かに描かれています。リスが巣の中にいる雛鳥をそっと木の端っこで見ています。親鳥がくちばしに餌をくわえています。冬に備えてリスが木の根元で慌てて穴を掘っているとき、小鳥が巣立って飛んでいきます。一枚一枚文字もない、音もない筈なのに、じっと見ていると「木のうた」が聞こえてくるみたいです。四季の木々が美しいです。

、『雨、あめ』ピーター・スピアー:作 評論社 雨の中、男の子と女の子が元気に遊ぶ姿は、子どもの頃を思い出します。ざーざー降る雨、しとしと降る雨、暴風で降る雨、どの雨も、日本では決して珍しい風景ではありませんね。でも、この絵本は、雨の中を明るく楽しそうに動き回る子どもたちにつられて見入ってしまいます。

、『かさ』太田大八:作 文研出版 黒一色のモノクロームの絵に、赤い傘をさした後ろ姿の女の子。雨降りの日、駅までおむかえ。道すがら見る風景は、都会的です。お父さんに、傘を渡す時の女の子の顔。嬉しそうなお父さんの顔。黒くて細い線の雨は最後のページまで描かれています。その線が不思議なくらい自然です。とても素敵な絵本です。

、『旅の絵本』安野光雅:作 福音館書店 旅のシリーズの始めに出版された絵本です。旅人は、小船で丘に上がり、村人に馬を借りて、何処までも続く道を通ります。その風景を、旅人さんと一緒に見ていきます。でも、その旅人さんを見失わないようにね。子どもにも楽しめるように工夫したのが旅人探しかもね。絵の美しさ、人々の暮らし、自然のいとなみを描いたのは、日本で失われつつある風景、公害、自然破壊を憂えてるかのような結びの言葉が印象的でした。

  10、『ゆきだるま』レイモンド・ブリッグズ:作 評論社 ゆきだるまが空を飛ぶなんて想像して見て下さい。色鉛筆とパステルだけで描かれた温かいお話になっています。

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文字のない絵本1『たまご』

ガブリエル・バンサンの絵本の中で最も有名な作品はなんといっても『アンジュール』ではないでしょうか。2年前に今江祥智+BL出版・編集部の企画で出された190にわたる『絵本作家ガブリエル・バンサン』の本の表紙に『アンジュール』の“あの犬”の絵が使われているからです。

言葉を一切使わず、木炭のデッサンだけでストリーを表現した作品に驚きました。

そして、ここにとりあげた『たまご』はもっと驚嘆しました。作家ガブリエル・バンサンは何が言いたかったのだろうと。勝手に解釈するにも何の手がかりも与えていない。黒の木炭一色で、言葉もなく、巨大なたまごを見ることになるのです。

今江氏の“核の象徴をみようと・・読者の判断”えっ!「核」・・一瞬、絶句。は、バンサンの怒りを感じました。

アンジュールの犬の目は哀しい眼でしたが、しかし、「たまご」に描かれた雛鳥の目は怒りの眼です。凄まじい眼。攻撃の眼。大きな翼を広げた親鳥の目も怒り狂った眼を表しているのです。下を向きながらこちらを見る親鳥の目は、まるで睨み付けているかのような眼なのです。

バンサンがここまで激しく描いた絵は後にも先にもこの「たまご」絵本ではないかと思います。シリーズ、くまのアーネストおじさんはほのぼのとして、やさしい。絵も柔らかな水彩画です。そして、どの作品も優しさに満ちているのに。「たまご」だけは違うのです。

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作:ガブリエル・バンサン ブックローン出版

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