11、『ねこ さんびき』アン・ブルイヤール:作 すえもりブックス出版 白黒の猫が三匹、木の枝に並んで下を見ています。水の中には赤い魚が、・・・。ラストは可笑しくて笑ってしまいます。絵も、油絵と水彩で描かれたのでしょうか。猫、赤い魚、水しぶき、荒々しい筆使いだけで見えない水の中の格闘を表現しています。顔、目、動きを観察していくと、言葉がひとりでに浮かんできます。落語のおちみたいな展開になっています。
12、『かようびのよる』デヴィッド・ウィーズナー:作 当麻ゆか:訳 時刻を表す言葉と数字のみですので、文字のない絵本の部類に入れました。大きなカエルの一群が、蓮の上に乗って、「かようびのよる」住宅街に向かって一斉に眺めている目は、まるで、あのガラスのビー玉のように光っているのです。不気味だと思いません?でも、その不気味さから滑稽さに変わっていきます。ひょうきんなカエルに、可笑しさがこみあげてきます。
13、『ピエロくん』クェンティン・ブレイク:作 あかね書房 文字がないとは言え、さながら、テレビドラマ仕立てです。コマ割りもフキダシもない漫画みたいなイラストの絵本です。仲間の人形たちと一緒に捨てられてしまったピエロくん。みんなを喜んで引き取ってくれる人はいないかと、探しに出かけます。それはそれは大変。投げられたり、吊るされたり、・・・・。
14、『ことば』五味太郎:作 架空社 言葉が見えたら便利だね。五味太郎さんのユニークな見方考え方に、絵本を手にした時から、驚きの連続です。この絵本も、およそ考えつかない発想です。言葉に色や形をつけるなんて。楽しい言葉は、楽しい色、どんな色?難しい言葉は難しい形、どんな形?言葉がカラーになっています。愉快な絵本です。
15、『翼の時間』東 逸子:作 ミキハウス出版 お父さんに連れられて図書館へ。待っている間、本を眺めていた少女(男の子?)は翼を持った天女に導かれて、天空の旅へ。それは、誰も見たことのない幻想的な世界。悲母観音に似た天女は少女のお母さんだろうか。美しい絵画を観るようです。しばし、時を忘れさせてくれます。
16、『どうぶつのおやこ』薮内正幸:画 福音館書店 ねこ、うさぎ、いぬ、さる、くま、かば、きりん、らいおん、ぞう、の親子を描いた絵本です。誰でも知っている動物の親子。写真では伝わらない手書きのあたたかさがあります。小さい頃、こんな絵本に出会えた子は幸せですね。薮内正幸さんの絵をネット見ることができます。
17、『セクター7』デヴィッド・ウィーズーナー:作 BL出版 第一セクターは国や地方公共団体、第二セクターは民間、第三セクターは官と民。で、「セクター7」とは何処でしょう。ある日、課外授業でエンパイヤーステートビルを訪れた少年が、展望台で雲の子に出会います。雲の子に誘われて行った所が「セクター7」雲の製造所だったんです。いつもいつも同じ図面を渡されていた雲の仲間が少年に不満をいうんですね。少年はそこでジェスチャーや言葉で雲の形を教えるのですが、思い通りに伝えるために絵を描いたのです。今まで見たことのない雲の形が空を飛ぶんです。それから・・・。
18、『ちいさな天使と兵隊さん』ピーター・コリントン:作 すえもりブックス めがねをかけたママが、娘に絵本を読んでいる所からお話が始まっています。小さな天使と兵隊さんの人形を枕もとに置いて寝ます。すると絵本の中の海賊たちが出て、ピンクの豚の貯金箱から・・・。
19、『星の降る夜に』千住 博:作 富山房 深い森に鹿の親子。ある晩、子鹿は流れ星をどこまでも、どこまでも追いかけて迷ってしまいます。子鹿の足取りは、ページの左側に小さく地図に書かれています。日本画家の千住 博さんの絵本です。絵画を鑑賞しているような感じです。
20、『小さな池』新宮 晋:作 福音館書店 表紙の真ん中に小さな水色の穴が描かれています。その穴が、段々大きくなり、小さな池の様子がわかります。真上から眺めた構図。鳥、亀、鯉、落ち葉、雨、トンボなどが水面に映し出された風景は季節の移り変わりを現しています。白い雲から、夕焼け、満天の星、小さな池はやがて暗くなって・・・・。この小さな池は作者のアトリエの裏にあるのだそうです。