アンデルセン原作「にんぎょひめ」「人魚姫」
①「にんぎょひめ」ぶん・その あやこ え・いわさき ちひろ 偕成社 1967年12月1刷 作家の曽野綾子さんの文です。簡潔な文書で、小さな子どもにもわかるように書かれており、絵も岩崎ちひろさんの画風で、より幻想的な世界を美しく描いています。
②「人魚姫」
ラズロ・ガル絵 マーガレット・マローニー再話 かつら ゆうこ 訳 ほるぷ出版 1985年8月1刷 原作に忠実なマーガレット・マローニーさんによる再話です。訳された桂宥子さんのあとがきには「人魚姫」の原画を見た時から、日本の読者に紹介したいと願って、やっと実現したとのこと。
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【話】海に住む人魚姫が、嵐で難破された船から放り出された王子を助けてから、その王子に恋い焦がれ、大きな代償を払って人間になる。舌をきられた人魚姫の思いは王子に伝えることもできないまま、海の魔女と交わした掟に従って海に飛び込む。波間に泡となって消えていき、空気の娘たちと一緒に空高く舞いあがっていった。
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【所感】「人魚姫」の出だしの文章から部分的に抜粋。“遠い海のはるか沖合では、水がヤグルマギクのように青く、水晶のように透き通り。・・海の底は白い砂浜、何もかも青い光で包まれた海の底。・・人魚の王さまのお城は、サンゴの壁にアーチの琥珀の窓。屋根はたくさんの真珠貝。くれない色やあい色の木が茂る庭。木の実は金色に煌めき、花は火のように輝く”
等々の言葉はまるで、これから始まる舞台の演出家が説明しているようです。人魚姫が住んでいた夢の御殿は地面の下。人間の住む陸は地上。アンデルセンが愛した女性は地上の上流貴族でした。人魚姫のように、もともとかなわない恋でした。彼の切々とした思いは、湧水の如く、こんこんと言葉になって出てきたのだろうと思います。彼の体験した心情が最も童話に反映された作品かも知れません。彼が32歳の時1837年に出した「人魚姫」は(『子供のための童話集』第三冊に収録)、人々に感動を与え、童話作家として認めさせ、名声を得ることになった代表作です。,
参考文献:著者山室 静「アンデルセンの生涯」 初版1975年6月20日 新潮社
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