カテゴリー「ペロー童話」の4件の記事

ペローの「シンデレラ」

「または、小さなガラスのくつ」ペロー童話/エロール・ル・カイン 絵/中川千尋 訳 ほるぷ出版 1999531日 第1刷発行

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【話】子ども向けの絵本として、文もエロール・ル・カインが書いています。その為、省略された箇所もありますが、ほとんど影響ないでしょう。というのも、名付け親の仙女が現れて、かぼちゃは金色の馬車に変え、六匹のネズミは毛並みの良い馬に、クマネズミは髭の立派な御者に、トカゲは六人のお付きものに、と魔法の杖で変えていく様子や舞踏会に着て行くドレス、ガラスのくつとお話の小道具はそろっていますしね。心のやさしいシンデレラは王子様と結婚する同じ日に、意地悪だった二人のおねえさんにも身分の高い貴族と引き合わせて結婚させていますから。

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【所感】ペローは、ルイ14時代の(フランスの絶対王政を確立)高級官僚でしたから、宮殿の様子は、お手の物でしょう。また、女性の洋服も。ペロー版シンデレラ物語はディズニーのアニメ映画にもなっていますね。全てが華やかで、美しい世界はまさに夢物語に相応しい。そんな夢の舞台となった宮殿。現実は、ルイ16世でフランス革命が起こり、王政廃止に。フランスの王さまも処刑され、お妃のマリーアントワネットまで処刑されて。

ペロー童話に登場する王子様やお姫様は権勢をほしいままにしていた頃の貴族の姿ということかも知れません。訳者のあとがきには「シンデレラ」の類話は世界各地にあり、そのバリエーションは数百にものぼるそうです。

日本でシンデレラ(英語)と言えば、ペロー童話のサンドリヨン(フランス語)の「灰まみれの少女」の物語の方が有名ですね。グリムの「シンデレラ」は次回に。

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ペロー「長ぐつをはいたネコ」

Nagagutu マーシャ・ブラウン絵 光吉夏弥訳 岩波書店

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【話】むかし、あるところに、ひとりの粉屋がいた。その粉屋が三人の息子に遺したものは、水車小屋と、ロバと、ネコだけだった。末の息子にはネコしか残らなかった。ネコは末息子に長靴一足と袋を用意させた。

それから、ウサギや二羽のシャコ等、何か獲物をとっては王さまに「カラバ公爵から」と言って、二、三か月届け続けた。

ある日のこと、王さまがお姫さまと一緒に川のほとりへ外出することを知ったネコは、先回りして、末息子を川につからせて、「カラバ公爵が、おぼれそうだ!」と叫んだ。

王さまは、いつものネコに気がついて、家来に助けるように命じた。その間に、ネコは王さまに、主人の服は泥棒に盗まれたと説明した。すると、王さまは、すぐに自分の衣装で一番いいのを持ってくるように命じた。その衣装を着ると粉屋の末息子は、きれいな若者に。ネコがお膳立てしたカラバ公爵に。

名ばかりの公爵にならないようにネコはさらに知恵を絞り、人喰い鬼の畑からお城まで手に入れた。その大きなお城に王さまとお姫さまを招いて、その日のうちに、末息子と美しいお姫様は結婚した。長ぐつをはいたネコは大とのさまになり、・・・・。

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【所感】このお話も、有名ですね。ネコと人喰い鬼のやりとりは、やっぱり面白いですね。最初に、わざと大きな動物に化けさせて、油断をさせたのですから。次にネズミです。ネコとネズミなら勝ち目は分かります。ペローは、従者は「長ぐつをはいたネコ」のように、賢く、かくあるべしと説いたのでしょうか。ブラウンのイラストは、さらっと描いて、躍動感があります。そして、色彩も美しい。「スズの兵隊」もブラウンの絵でした。

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ペローの「赤ずきん」

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絵:エリック・バトゥー 訳:池田香代子 講談社

ペロー版の「赤ずきん」では、赤ずきんもおばあさんも狼に食べられて終わっています。その代りに、教訓が掲載されています。

”・・・・とびきりやさしく声ををかけてくるおおかみが、いちばんあぶないんだってこと、・・・”

訳された池田香代子さんの解説「昔は危険に満ちていた」には、シャルル・ペロー(1628年~1703年)の経歴が紹介されています。

ペローの昔話集のサブタイトルは『コント・ド・マ・メール・ロワ』と付けられていて、意味は「がちょうおばさんのお話」。イギリスの有名な伝承童話『マザー・グース』も「がちょうおばさん」という意味です。

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ペローの「青ひげ」

 絵:エリック・バトゥー 訳:池田香代子 講談社

【あらすじ】 

昔、町にも田舎にも立派な館を持ち、贅沢な暮しをしていた青ひげの男がいた。奥方は何人もいたのに、行方知らずになっていた。青ひげの館の近くに住んでいた、貴婦人には二人の娘がいた。青ひげは、その二人の娘の妹と結婚することになった。

ひと月たつと、青ひげは奥方に、大事な用で遠くへ旅にでかけるため、6週間は戻れないと言って、鍵束を渡した。留守の間、友だちを招待するなりして、おおいに羽を伸ばすがいいと。但し、どこを開けてもよいが、下の廊下のどんづまりの小さな部屋だけは開けるなと。万が一その部屋を開けたら最後・・・・。脅してまで開けるなと言った部屋を奥方は開けてしまった。そこで見たものは、行方知らずのあの奥方たちの恐ろしい姿だった。・・・・青ひげはその夜のうちに帰って来た。・・・・・・・・

【所感】

ペローは69歳から昔話を書き始めたともいわれていますから、作品は多くないのですが、この「青ひげ」は、当時の宮廷の貴婦人たちが読者でしたから、人気があったと思います。ミステリーは、いつの時代もわくわくさせますからね。開けてはいけない部屋の鍵をわざわざ預けるかなって。信用できる奥方かどうか試したかったのでしょうか。教訓は意味深でしたが。どう捉えるか読者次第です。大人向けの絵本かも知れませんが、子どもでしたら小学校高学年以上でしょうか。

池田香代子さんの解説に、この物語によく似た話がグリム童話にもあるとして「フィッチャーの鳥」をあげています。青ひげが魔法使いになって、初版「グリム童話集」2(訳:吉原高志・吉原素子 白水社)に掲載されています。

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